DXが世界中で本格化している今、文化、映画・テレビ番組、出版、製造、金融などの従来の産業はDXを進め始めていますが、新たな共通の課題に直面しています。それは、DXの成否は、インフラの高度さと使いやすさに大きく依存し、特にネットワーク環境は、高速かつ低遅延の情報転送を保証するための「動脈」ということです。
そのため、DXの推進において、強固なネットワークインフラの構築は、避けられない課題となります。日本の文化業界で注目を集める代表的な企業の1つであるKADOKAWAグループは、H3Cと提携することで、データセンターネットワークインフラの包括的なアップグレードを実施し、高品質・高性能・高安定なネットワーク基盤を構築し、さらにネットワークの開発、保守、運用といった一連の作業を大幅に簡素化しました。
日本文化産業最大手のDXにおいて、ネットワークインフラの老朽化が最大の課題に
日本のみならず世界でも有名なKADOKAWAグループは、出版、映像、Webサービス、ゲーム、教育などの数々の事業を展開する総合エンターテインメント企業として、日本の近代文学、映画、ACGN産業の発展を促進する上で重要な役割を果たしてきました。
時代の変化や技術の革新に伴い、KADOKAWAグループは事業領域を拡大し続けながら、業務のDXを模索しています。近年、KADOKAWAはグループの基本戦略を刷新し、各分野でのコンテンツ制作やUGC(ユーザー生成コンテンツ)による自社IPライブラリーの更なる充実を図るとともに、「グローバル展開を実現するためのプラットフォーム」の構築にも取り組んでおり、最先端のデジタル技術を活用してコンテンツを世界中に配信し、コンテンツとサービスの形式をさらに拡大することにより、消費者へより多様なデジタルエンターテイメントコンテンツを提供しています。
しかし、新たな課題が発生しました。業務のDXは、ネットワーク含めICTインフラに対する要求がさらに高まっています。KADOKAWAグループの業務ネットワークは多岐にわたるデータのやりとりがあるため、常に大きな負荷を処理しなければなりません。ネットワークの動作が重くなることによるユーザーエクスペリエンスの低下につながるリスクはあります。また、KADOKAWAグループの既存のデータセンターネットワーク設備は長年稼働し、一部老朽化、関連製品も生産終了となりかけています。そこで、信頼できる新しい高品質なネットワークを提供できるサプライヤーを見つけ出すことが、KADOKAWAグループにとって急務となりました。
最適な方法により、H3CがKADOKAWAグループネットワークの「次世代への移行」を支援
ネットワーク改修を一日も早く実現するため、同社グループのIT・情報化業務を担当する子会社のKADOKAWA Connectedが一般競争入札を実施し、数回にわたる選定を経て、中国を拠点とし、ICT分野をリードするH3Cは、長年にわたって蓄積してきたDX分野での経験と、トップクラスのソフトウェア・ハードウェア性能でKADOKAWA Connectedの注目を集め、同社のローカリゼーションチームは全プロセスを通じて対応し、調査、企画、説明、テスト、本番稼働を迅速に遂行し、新機能の開発要件を競合他社より3か月も早く提供しました。
ネットワークシステムの具体的な構築に関して、H3Cは主力製品である「S9850-32H」を選定しました。この製品は、データセンターおよびクラウドコンピューティングネットワーク向けに特別に開発されたスイッチで、優れたハードウェア転送機能、豊富なデータセンター機能、最大32*100Gのポートを備え、高速・高帯域幅で高品質のビデオ通信を確保できるため、大量のユーザーのアクセスに対応しながら、高精細でスムーズなストリーミングサービスを提供するグローバルメディアプラットフォームの構築という、KADOKAWAグループのビジョンには最適です。
さらに、H3Cは、ハードウェア施設専用の開発システムも提供しています。それを利用すると、KADOKAWAグループは自社の業務調整に応じて機能を追加、削除または変更したり、新しい自動化ツールを作成してネットワークの開発と運用保守のスマート化を推進することで、開発者の作業をさらにスムーズにすることができます。これにより、KADOKAWAグループはより安全で便利なネットワーク環境をより効率的に構築し、グループ全体の長期にわたるDXのための強固な基盤を築くことができます。
現地チームと海外技術サポートが連携したフルコースの対応が、業界のDXの手本に
特筆すべき点として、H3Cの現地チームは検証、設計、工事、運用のいずれの段階でも積極的にサポートしており、また、KADOKAWAグループの業務への影響を軽減し、スムーズでシームレスなシステム移行を実現するために、中国本土のテスト部門も同時にミラーテスト環境を構築し、お客様のニーズに応じたネットワークアーキテクチャの一連の検証を再現しました。
H3Cの取り組みについては、KADOKAWA Connectedより高く評価していただきました。実際、H3Cは文化業界だけでなく、日本の教育、医療、企業、ISPなどの業界にも進出し続けており、さまざまな業界の異なるニーズに応じたDX案件で手本となるケースを数多く生み出しています。
その背景には、H3Cの「中国を拠点として、世界中にサービスを提供する」という戦略、業界をリードするDX実施能力、および長年にわたって蓄積してきた市場開拓、納品、およびサービス提供などのエンドツーエンド能力があります。これまでに、H3Cはアジア、ヨーロッパ、アフリカ、ラテンアメリカに17の海外支社を設立し、合計1359の認証済みチャンネルで174の国と地域にサービスを提供し、世界中のお客様にローカライズされた営業と技術サポートをタイムリーかつ効率的に提供してきました。
今後、H3Cは引き続き「深く取り組み、実務に励む」という理念を実践し、日本をはじめとするより多くの国や業界向けに最先端のDXソリューションを創出し、現地の有利な産業のためにデジタル時代へのスムーズな道を切り開き、世界のデジタル経済に新しいページを開くよう努めてまいります。